2018年4月17日火曜日

『on line』。

『on line』。今回の展示会というか企画展は、通常のものと違ってちと分かりにくいかもしれない。



ここにとある陶芸家、洋服のデザイナー、雑貨店(つまり僕のこと)、カメラマンがいる。気がつけばこの四人で呑んで語らう機会が多くなった。そもそもはうちの店を基点にして知り合い、それぞれの作品を知っては共感し合いつつ出会った感じ。と、こう書けばそれはよくあることのように思えるかもしれないけれど、じつはそれがそうでもなかったりする。

自分の高い価値基準を持った創り手というのは、そもそもあんまり群れたがろうとしないものだし、そもそも同じひとつの枠に入れられることを嫌うものだ。そうでなければ嘘だと思うし、僕もそれをまざまざと許容する作家をあんまり信用していない。

でも逆にそうであるからこそ、信用できる出会いというものもあったりする。自分の物差しをしっかりと持った人間だからこそ、感じる勘のようなもの。例えばかっこいいかっこ悪い、イケてるイケてない、その微妙でだがしかしはっきりとしたラインを言わずとも共有できること。これってなかなか難しいんですよね。




そんなものを共有し得る四人がひとまずなにかをやってみようというのがこの企画の始まりでありまして、なぜかテーマはライン、線引き、内と外。なぜか架空の角打ちを想定し、そこで使う器や洋服、そして皆が関わったzine、つまりは小冊子を作るということになった。そして四人で天草へ出かけて行き、ビジュアルをたくさん撮った。すでにそれだけでも愉しかった。

ひとまずは福岡の『stereo coffee』を皮切りに展示し、このたびこの店へやってきたというわけだ。まぁ正直に言って、当初の企画から実現出来なかったものもあるし、もうちょっといろいろやれたこともあったと思う。



でも兎に角、陶芸家の金澤宏紀くんはこのためにたくさん新作を創ってくれて、それが店にずらりと並ぶ様はもう彼の新作展示会のようだし、それがまたキレッキレにかっこいいし、『catejina』のペンギンと騎士の実物のインパクトは大きくて素晴しい。少なくともこのふたつのブランドが並んだ景色がヤバい。たぶん感度が高いひと程、なるほどな、と感じるんじゃないだろうか。






そしてzineも写真、文章、まぁまだまだやれたところもあるけれど、でも内容は詰まっている。というか、僕は自分の好きな飲食店である『Peg』と天草の『丸高』についてしっかり真面目に書いたので、絶対それは読んで欲しい。『catejina』きんちゃんが陶芸家金澤宏紀くんにインタビューしてる記事があって、それもかなり興味深い。そして洋服デザイナーが自らミシンでガシガシ縫って製本しているところもミソだ。



ということで今週日曜まで。ぜひお待ちしております。