2013年9月1日日曜日

たまには食のことでも。

昼食はなるべく自分たちで作って、みんなで一緒に食べるようにしている。
今後どうなるかはわからないけども、それが大切なことのように思えるから。



自分はこの仕事の前、『九州の食卓』という編集部にいた。
ここでは毎月一回「朝ご飯の日」というものがあって、その日はみんなで一緒に朝ご飯を食べることになっていた。編集長の思惑としては、スタッフ全員で食卓を囲むことで、食卓そのものの尊さとか大切さを感じてもらおうという考えだったと思う。



入社してそのことを知ったとき、心底驚いたのを覚えている。
自分の考えに、少し筋は違えど、かなり近かったから。

皆で自炊をすることを、会社の方針として持っている所があったってそろそろ良さそうなのに…。などと本気で自分は考えていた。その方がお金も浮くし、愉しいのではないか。もしみんなで一緒に料理を作れば、それだけスタッフ同士の結束力も増すだろう。何より、「自分以外の人間にご飯を作って食べてもらい、喜んでもらう」ということは、いろんな仕事の基本に繋がることだと思う。たぶんそれは、「人の立場になってものを考える」ことに繋がることだから。







そんな暇は無い。と言われてしまえば終わりだけど、でもそこには何かしら大事なものが含まれているように思う。そう考えていたら、ある日、テレビで東京のデザイン会社だかが自分たちでお昼を作ることを決まりにしていると流していた。やっぱりみんな考えることはそう違わないのかもしれない。

かくして自分は編集部の台所によく立った。いろんなものを作って、みんなで食べた。不思議と食卓の記憶というのは褪せることがない。同じようにして現在はキッチンに立って、みんなの食事をせっせと作る。







「その人を知りたければ、その人が読んでいる本を知れ」みたいなことをよく言うけど、その人が「どんな人と、どんなものを、食べているか」で、その人そのものが分かる気がする。「忙しい、忙しい」とお金を稼ぐ仕事にかまけがちだけど、「食べるという仕事」に比べれば、ほんとはそんなもの何であっても吹き飛んでしまう。
…さて。今日はなにをつくろうか。

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