2015年8月15日土曜日

印度諸々

いよいよ展示会である『印度諸々』もあと少し。

今回のDMもイラスト、デザインともにいつもの上妻勇太画伯(期間は8/17まで延長しています)。




今回の展示会はいつものようなくどいコテコテな感じではなく、できるだけさらりとやりたいので、まずはその旨を伝え、「イラストの雰囲気はこんな感じかなぁ」と、取引先の倉庫にあった一枚の絵を渡す。値段はついていなかったのだけど、気になってどうしようもなかった絵で、担当の方にお願いして持ってきた。





今回のメイカーは社長がインドの方で、片言の日本語を話し、打ち合わせ中にもしっかりと魔法瓶にチャイを入れてこられて僕にご馳走されて・・・なんていう仕事にあまり関係の無いエピソードをつらつらつららと話していると、なんとなく上妻くんのなかでDMのイメージが固まったみたいである。「・・・ふむふむ。例えばその社長さんがたくさん商品を載せた船に乗って海からやってくる感じにしたらどうでしょうねぇ」とかなんとか。つくづく創作とはおもしろいものである。素材さえあれば良いというわけでもなく、どうでもいいかのようなエピソードがいわば"にがり”のようなものになって、最終的に豆腐という作品ができあがるのだ。とかなんとか。








かくして商品は届き、展示会は続く。すべて横浜の店に直接行き、倉庫を案内してもらい、膨大なる商品から「うおおおお」となかば逆上しつつ、最後は気分悪くなりながらひとつひとつ選んできた。























例えば器なんかにしてもひとつの創り手の作品のなかにもさまざまなテイストのものがある。そこから何を選び、逆に何を選ばないか、が僕の仕事と言うか、うちの店のすべてになってくるんだと想う。当たり前の話だけど、他のひとやお店が同じ創り手の作品から選んだらまた別のラインナップ、店作りになるはずである。たぶん、そこの違いこそがおもしろい。違わないとおもしろくない。「あんた、なんでそこ選ぶのよ」という話である。





それにしても。こういう仕事をしていると「きっと自分はセンスがあると想っているひとなんでしょ」と思われている節があるのだけども(実際に戒めみたいにそう言われたこともあるけども)、やっぱりちょっとそれは違っていて、結局のところ、それは自分の感じ方やこころの揺れ具合にできるだけ正直であるしかないよね、というようなことだと思う。うちのような店は、そこだけはできるだけ剥き出しにして剥き出しにして、自分でも驚くくらいに敏感でいたいし、いなければならないと思うのです。もちろんこれは遊びではなくてちゃんとした商売なので、「きっと、売れる」という確信めいたものや商品も必要だけれど、それよりもっと大事で根底に持っていなければならないのが「きっと、伝わる」という強き確信なのだと思うわけで。そして何よりおもしろいのが、そのセンスの剥き出し感のようなものは、狭いかもしれないけどしっかり共有できる、ということ。分かる人には分かるであろう、その「剥き出し感」。例えば福岡のこの洋服屋さん(Figueroua)。自分はブログで見る度に「・・・そのチョイス、剥き出してるよなぁ」と勝手に唸っている。まぁお店を続けていくうえでどこまでその剥き出し感を大切にできるかが勝負でありましょう。・・・なんてちょっとひとごとですが。





ええと。それはそうと、その社長さんに「カディコットンの服はメンズはないのですか?」と伺うとレディスだけとのお答え(写真のも僕が着てますがレディスです)。僕があまりに残念そうな表情をしていたのだろう。社長さんは「・・・でも本当に欲しいならメンズ、作ってみてもいいよ。サイズとか教えてよ」とのお言葉。本当に実現したら嬉しいなー。実際周りにもこういう感じのメンズを欲しているひとを数人知っているし。もし欲しい人がいたら声をあげてくださいね。剥き出してくださいね。ということで、もうちょっと『印度諸々』は続きます。








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