2016年3月30日水曜日

アイニードトゥビーマイセルフ

んやー、しっかし展示会中、よくもまぁたくさんラーメンを作った作った。んでもう喰った喰ったすすったすすった。なんせ「一日一麺!」ですからね。そりゃ作りましたよ。



店のキッチンでは延々鶏ガラの鍋がぽこぽこぽこぽこぽこあぽこ。あるならば、煮干しやら昆布なんかも入れて、トロ火で二時間くらい茹でればそれでよし。このベースさえあれば、後はどこかで旨味をプラスすればいいわけで。例えば今の季節であれば、あさり。とさらに例えば豚肉とトマトを小鍋に入れてある程度煮詰まったら、人数分の鶏ガラスープを入れればよし。例えば味付けはナンプラーと塩で。



そんで時には店がラーメンの屋台みたくなったりね・・・。




そもそも「・・・ラーメンってまず自分ちで作らないし、あんま食べないし」というひとも今回聞いてみるとけっこう多い。やっぱりインスタントが多いのだろうし、カップ麺派も多いのだろう。そりゃ俺だってよく分かる。でもせめてインスタント麺でもオキニの器で食べて欲しいなぁ。そんくらいの余裕が自他ともに欲しいなぁ。だってそうじゃないとうちやってけないもん。そんな世の中であってほしいなぁ。じゃなかったら、ユキヒラごとずるずる喰って鍋縁からスープすすってあちいあちい言いながら喰ってほしいなぁ。

でもラーメンのスープ作るのって、こだわらなければほんとハズかしいくらいに簡単なんだけどなー。しかしまたこういうことを書くと、「なんだか偉いですねぇ、なにしろすごいですねぇ、だってだってスープから作っちゃうんですもんねぇ」とほとんどほめ殺しの刑みたいなものにあったりするのだけど、たぶんほんとはその辺の意識みたいものから少しでも分かってもらいつつ変えていかないと、本当の意味でモノだって売れないのかもしれないし、何事もダメなのかもしれないなぁ。や、だって今の時代モノを買うのって、ただただモノそのものを買うのではなくって、その背後に存在するものごと買う感じだものね。そーゆーの、ストーリー性つうの?

 でもだからつっていまの世の中、いわゆるライフスタイルショップ、ライフスタイルマガジンは多いけれども、なんだか圧倒的に形だけのものが多いでしょ。ナチュラルふるゆわ系の残り火つうか。でもさ、俺ときみのライフスタイルなんて俺ときみにしか分かるわけねーじゃんか。アイニードトゥビーマイセルフ。いや、アイニードトゥマイラーメン鉢。だってどこの店もラーメンのスープの作り方やらオキニのラーメン鉢なんて提案してくれないじゃないっすか。んじゃあ俺やきみはどうしたらいいんすか。それこそが俺らのライフスタイルなんじゃないっすか。




でもつくづく思うけど、この国では毎日のようにさまざまな料理本が出版されているし、日々全国の料理家の方々がそれはそれはまるでミリ単位を求める繊細な探検家のごとくレシピの研究をされていて、自分だってその点ではとても助かっているのだけど、でもだからこそみんな最初から正解を求め過ぎてる気がする。別に料理なんて、特に自分たちで作って食べる料理なんて、そもそも正解は無いと思うんだけどなー。「ある日突然、となりに住むおじさんから今朝釣ったばかりの鯛をまるごと一匹いただいちゃいました。さぁどうしましょうどうしましょう。まぁしょうがないからいろいろやってみましょうよ。間違ったら、そして試してみてあまりに美味しかったら、今度は自分たちでもう一度買って作って食べようよ」くらいの感じ。もしくは「あれ? 昔かあちゃんが作ってくれたあれの料理の味ってこんな感じだっけ? ・・・うーん、作ってみたら、ちょっと違うけど、まぁうまいからいいじゃないですか」くらいのくだけた感じというか。最初から正解を求め過ぎると、もう二度と使わないナツメッグやらワインビネガーなんぞの瓶がただただ残り増えてしまうのは周知の事実。最初から正解を求めすぎないこと。それはなにも料理の話だけでは無くって、例えば生き方なんかにも通じる話だと思うんですけどね。

というわけで、明日木曜もオープン、展示会は4月3日まで続きます。




2016年3月27日日曜日

『すすれ!一日一麺!ラーメン鉢の展示会2016』

ただいま店内では『すすれ!一日一麺!ラーメン鉢の展示会2016』が開催中。


つるつるもちもちと書きなぐられたすさまじくマイ麺なイラスト&デザインを手がけてくれたのは、いつもの“SUPER8”上妻勇太君。

お店をやるようになってうつわを扱ったり、いやそのまえから自分でうつわを買っていた時から、なかなか好みのラーメン鉢に巡り会わないなぁと思っていた。それじゃあこの際、いろんな方々に創っていただいたらどうなのよ?という主旨から始まったこの企画。






「んんん? それってただの思いつきなんじゃ・・・」と突っ込んだそこのきみっ!企画なんてのは思いつきが勝負じゃないんだよっ!思いついてからどう実現するかが勝負なんだよっ!思いつくのは夢でも猿でもできんだよっ!・・・なーんてゲスにどこかに呟いてますが、いやいや、ほんとの勝負は思いついて実現して成功させるまでだってばさ。そんなの当たり前の話だっつーの。だ、か、ら。頼むよ、そこのきみも。世にまみれたフリンフリンなネタはひとまずほおっておいて、して自分の胸にしっかと手を当ててしっかと正直になってあんなしらばっくれたファッキンSNSなんてまずはやめちゃってさ、とにかくこの展示会に足を運んでくださいな。今年コケたら来年できないんだよ?それでもいいの?ね?










まぁそんなことはどうでもいいのだけど、とにかくこの展示会中は始終、店の台所でラーメンを作っていて、鶏ガラを茹でる手を休めたことがない。まぁラーメンなんてインスタントでも十分美味しいのはこのクールなジャポンに住んでる自分だって十分承知も承知なんだけど・・・いや、違うな。そういえばいま想い出したけど、大学の頃に仲が良かった友達が「インスタントラーメンってさ、ラーメンって名前に付くけど、でもあれは正直言って本物のラーメンとは別モノだよな。あれはあくまで“インスタントな“ラーメンであって、本物のラーメンではないんだよ」と呟いてたなぁ。おれはあん時、そうか、だからこいつは俺より女にモテんのか、なんてことは思いはしなかったが、なんというかそれはたしかにそうかもしれんと感心してしまった。だってほら、本物のイチゴとストロベリー味って違うじゃないの。でも別段そこに誰もモンクは言わない“ストレイト・ノー・チェイサー”な世の中じゃないの。考えてみればどうせおれらが住んでる世界なんてフェイクもフェイク。身近に触れれる機会が多いのがほぼフェイクであって、んじゃ歩いて3分のあそこのコンビニエンスストアに置いてあるすべての商品のなかにどれだけフェイクじゃないものがあるっつうの?あれはパンのような「なにか」だし、サンドイッチのような「なにか」だし、ラーメンのような「なにか」でしょ?店員さんだって店員さんのような「なにか」かもしれないよ?

いや、別にこの話に結論はないのだ。だって例えばマルタイの某ラーメンやらチキンなおれらがチキンな気分なときに必要なあのラーメンだって鬼のようにうまいことをオトナな俺の舌はもう知ってしまっているんだからな。でもそれとは別に俺は手作りの本当のうまさも鶏ガラスウプの優しい味も知っているし、もしきみが知らないんだったらば、少しは知っていてほしいなぁというだけなんだ。だってラーメンだってうつわだってもしかしたらばひとにだって、フェイクとホンモノがあるのかもしれないよ?きっとそこにこそ、一考の余地があり得るこのお先薄暗げな2016なんじゃあないのかい?

・・・なんてことをつらつら考えつつ、ずるずるずるずるずるっとラーメン鉢の展示会は4月3日まで続くのです。