2016年12月4日日曜日

『玉木新雌2016秋冬展示会』

ということで、いよいよ来週から始まる『玉木新雌2016秋冬展示会』。来週木曜の12月8日のみvertigo店内でプレ展示、それ以降の12月10日(土)から25日(日)までは三年坂TSUTAYAの地下にて開催させていただきます。

以下、告知用のDM撮影をしていただいたもの。カメラマンはいつもの衛藤久朋くん、モデルはお茶の先生もなさっている木本智子さんです。すごくいい仕上がりになりました。















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木本さんは普段着物を着られる機会も多いからなのか、撮影中、衛藤くんに「できたら猫背でお願いします」と言われていたのがすごくおかしかった。本当にお世話になりました。ちなみに「・・・・」で区切ったうえのものがフィルム撮影。下がデジタル撮影。やっぱりなんかフィルムの方があたたかみがあるというか、柔らかいですね。これはまんま音楽と一緒だなぁと思いました。アナログレコードとCDの違い。実際DMではフィルムの方を使わせていただきました。

ということで、皆様、ぜひ展示会にお越し下さいませ。





2016年12月3日土曜日

ホームペイジ





最近、ほんとうに今さらながら店のホームペイジ(http://www.mu-vertigo.com)をいじいじといじくっている。前から「力が入ってなさ過ぎでしょ!」と不評のHPだったのだけど、まぁ新しい店舗に移って雑貨店もマッサージと別になって分かりやすくなったし(マッサージは別でぜんぜんやってますんで、気になる方は言ってくださいね)、そろそろもうちょっと広い範囲で店の展開を考えないと、と思ったのですね。つってもwixでいかにもトウシロでハズいシロモノですけども。

自分はどうもウェブに関して最初っからあきらめ気味なザンネン40代というか、こーんな広い広い果てしなく広大な宇宙の真ん中で、いったいおれは何を叫べばいいのよ?と思ってるフシがありありで、なかなか腰が重かったところはある。でも考えてみると、何を叫べば、なんつっても、そもそもそんな叫ぶ場所が存在すること自体がこのウェブ時代の素晴らしいところであるはずで、それが無ければいつかの八百屋さんみたく店頭で「いらっしゃい!いらっしゃい!」と叫ばなければならない(もちろんそれも素晴らしい方法だけど)。

例えばうちの両親は(まぁ父しか残ってないけど)もうパソコンをしないまま死んでいくのを善しとしているひとたちで、だからして例えばあのひとたちが親戚を交えた様な大きめな家族の食事の計画を立てようものならちょっとした事業だ。僕らであれば店の検討を付けてネットで店の情報見て個室はあるのかとか金額なんかをチェックする。が、あのひとたちはまずはもういきなり電話したりはたまた直接店に行ったりしてチェックしたり確認するから、しかももしそれが何軒も重なれば、そりゃもう大変な労力になる。一大事なのだ。結局は直接行ったりすることが実はプラスになったりもするのだろうけども、それでもやはり今の時代にはちょっとあの苦労はあり得ないというか。



そう。分かってんじゃん。情報の開示ですよ、情報の開示。オープンテクスツですよ、オープンテクスツ。じゃあお前、はよやらんかい!となるのだけど、僕はこれでもいちおう編集、ライターをしていて、そのやり方というかあり方みたいなものをそのままこの雑貨店にトレースできないか、と思いつつこの店をやっており。そういう意味では僕としてはこの雑貨店の仕事だって編集、ライターの仕事の延長であり、そのなかのひとつと思っているのだけれども。だからこそいつも思うのは、編集やライターの仕事というのはあくまで媒介である、ということで。主役は別にある、いる、ということで。

例えば何の変哲も特徴もまったく無いひとや店や事象でも、自分なりに取材して自分なりに捉えて、そして自分なりの価値のようなものをそこに提示しなければならない。いや、提示したい。「これ、超普通過ぎてどこをどう切っても紹介になんないよ」というのならば、穴が開くまで延々と眺めては、伸びる部分を探し引っ張り出して書きつける。すんごいひとに会ったのならば、なにがどうすんごいのかを自分で消化して、それを自分なりの角度でもって伝えたい。いや、伝えなきゃいかんだろう、と。でもほんと単純な話、ひとつの事象があってそれを100人が見たらば100の見方があってしかるべきはずなんですよね。みんな同じ見方してたら、僕、わたし、あなた、君がそれぞれ書く意味がまったくないと思うし。




こういう話でいつも想い出すのが、伊丹十三さんのエッセイで、カメラマンの浅井慎平さんについて書かれた文章で。ある日、浅井さんがゴルフの取材に現場にカメラマンとして行った。グリーンにはその他大勢のカメラマンもいて、彼らはみな一様にゴルファーがスイングする瞬間ばかりをカメラに収めようとやっきになっていた。まぁたしかにそれが普通のカメラマンですわな。そんなひとたちを横目に、浅井さんはゴルファーが脇の方でキャディと真剣に話しているところをパシッと撮って押さえたそうだ。そして「これだってゴルフでしょ」とあっさりいったという。これくらい物の捉え方について分かりやすく表した話は無いと思うのだけど。そう思いませんか?・・・あらら、そうでもないか。

ええと、でなんの話だっけか。ああそうだ。ただまぁ媒介として自分を通して他人について語るのは慣れているのだけど、なんせ自分について語るのに慣れてないんですよね。できれば語りたくないし、アピールもしたくない。そういうの、もうほんとめんどくさいと思う方で。でも幸い自分の周囲には温かなひとたちが何人かいて、「いや、そうだからこそ、もっとあなた自身を打ち出した方がいいんだってば。そうしないとダメな2016年なんだってば」らしきことを助言されたりもする。確かにすべてがひっくり返ったようにも思えるこの2016年、そうも言ってられないよなぁ、それは自分でも十二分に分かってるんだけど・・・ん、待てよ。そうかそうか。そうなのかも。なんでこれまでこの視点が持てなかったんだろか。

結局は自分が『vertigo』というこの店を、編集すればいいんだよな。媒介としてこの店についてみんなに伝えればいいんじゃないの。この店の店主はいったいなにがしたいのか。どこにバイアスかけてあげたらば、周りに多くのことが伝わるのか。その辺すべてを引き受けて、提示してあげればいいんだ。まぁたかがホームページ作るのに、なにゆえこんなしちめんどくさい思考をしなければならんのか自分でもよくわかんないんだけど、もうしょうがないですね。そういう人間なのだろうから。なんというか編集とかライターってそれくらい自分とかひととの距離を考えてるというか。そうしないと少なくとも自分は文章書けませんというか。もちろんひとそれぞれでしょうけど。ということで、まだまだすべてうまくいってはいませんが、まぁちょっとずつ見守ってやってください、という感じでしょうか。あ、来年は少しずつウェブでの販売も行おうと思っております。はい。たぶん。