2014年10月6日月曜日

遠い記憶の箱




裏・そら植物園から始まる旅』2014.9.16~
 『裏・そら植』展示会中ですが、今日は秋の夜長に、コオロギや鈴虫の鳴き声に、涼しい風に揺れ動く葉っぱたちに、ピッタリの音楽を紹介します。台湾の山岳少数民族ブヌン族のコーラスとチェロによる、これはまさに奇跡の音楽です。ゆったりとした優しい静謐感があって、聴いていると自分だけが大切に閉まっている遠い記憶の箱がぽっかりと自然に開いてしまうような、もしかすると危険な音。でも何より子どもたちの無邪気な歌声とデヴィッド・ダーリングが奏でる心音のようなチェロが溶け合う音像はなぜか潮騒のようにも聴こえ、この目まぐるしく生き急ぎすぎる我らの日常をそっと柔らかく撫でてくれるのです。こんな音はそうそうないでしょう。世界の果てから届けられた、世界の果てを知る植物たちと一緒に、必ずや静かで深く、暖かで親密な夜を彩ってくれるはずです。※『ムダニン・カタ』/デヴィッド・ダーリング&ウールー・ブヌン 2500円

0 件のコメント:

コメントを投稿