2017年11月15日水曜日

動物嫌い




というわけで今年もやってきました、モロッコラグの展示会。今年で早くも三回目。昨年は『旅するボシャルウィット』とか言って天草に大量のラグを持って行きましたが、今回は大人しく満月ビル3Fで展開しております。お世話になるのはもちろん香川の『maroc』さん。今年もやはり間違いのないチョイス。

・・・いや、あなた、一言でチョイスなんて言葉を書き連ねますが、そうそう簡単なことではないんですよ。言って見れば『maroc』さんだってうちと同じように販売店、あくまで小売りであって、モロッコラグを創っているわけではないんですよね。ということはとどのつまりは何を選んで何を選ばないか、というか、きっと「何を選ばないか」の方が重要になるように思われます。だってそれこそモロッコラグなんて、現在とて現地に行けばお土産的なものから本当にたくさんあるはず。今でもラグは創られているだろうし。でもやはり日本と同様、手仕事なんてものの想いやその濃さは時代と共にどうにも徐々に薄れていくわけで、それは昔のひとの苦労にはかなわないでしょう。もちろん昔のものだからすべて良いかといわれるとそうでもないだろうけど、とにかくはそのなかから「これは間違いなく良い、わたしはかわゆいとおもう」と思うものをチョイスしなければならぬ。もしくはそういう価値や関係を分かり合える現地スタッフを捕まえなければならぬ。その苦労は簡単なものじゃないはず。



だからこそ、というべきか、悲しいかな「わたしがかわゆいとおもう」ラグは年々減り、『maroc』さんのお話だともう本当に無いらしい。リミットらしい。それを最近現地に行って痛感したのだそうだ。まぁ古いものを扱っている以上はそれはいつかは仕方のないことなのだろうけど、いつまでもそれが在るとどこかで気楽に信じきっていた自分が少し恥ずかしくも悲しい。だからやっぱりこれらのラグを某ニトリなんかのものとは決して一緒にしてはならぬ。それこそが命題だ。これはまったく別のモノなのだ。某ニトリが悪いとはまったく言わないけれども、ただただそれとは異なる、それだけひとの想いとひとの時間がかけられたものなのだ、ということを改めて僕らは知るべきだ。




・・・なんてまぁいつものように分けも分からず毒づいていますが、とにかく今年もかわゆいです。展示会が始まって、特に福岡からのお客様が多いことに本当に驚くばかり。







いつも『maroc』さんのサイトを見ていて、できれば実際のラグが観たいと熊本まで来られたそうだ。ある方においては昨年に引き続き来ていただき、2枚目をご購入の方もあったりとこれまた驚くばかり。他にも北九州に佐賀と本当に有り難し。・・・に比べると熊本からのお客様が少ない気がする。とある言説によればどうやら熊本のひとは外側にお金をかけて内側にかけることが少ないらしい。洋服の街だとか言われる、あのアヤシい都市伝説めいたこともそれに関係しているようで、例えば自分の外観に関することにはお金を落とすが、家に行くとその調度品の落差に驚く、とかなんとかいう話を聞いたことがある。だからこの地ではインテリア系の店が生き残って行くのが現実的に難しいのだとか。本当なのだろうか。現時点ではそれを裏付ける結果にもなっておりますが。






それはそうと今回のDMの撮影は大変だった。カメラマンのえとうくんと朝の4時出発で阿蘇の草千里まで行き、サクッと撮影しようしたものの、あまりの風の強さにどうにもならず、場所はもちろん良いのだけどなかなかイメージのものが撮れない。しかも当たり前に寒いし、冷たい。僕は完全に阿蘇を舐めていてしかも薄着であって、そもそもが風邪気味だった。しかもいたるところにお馬さんがいて、えとうくんが恐い恐いとシャッターがなかかか切れない。そうであった、えとうくんは基本、動物がダメで犬さんさえも苦手だった。















僕がくるまったり、いろんなところにかけてみたり、さまざまなことを試すがどうにもならぬ。ようやく最後の方で柵にかけてお馬さんをバックにオンしたものがなんとか形になった。終わってからふたりで食べた、温かくて優しい「ウエスト」のうどんのウマかったことウマかったこと。実はその日えとうくんも風邪気味で、我がうどんにウソのように、もはやスウプが見えなくなるくらいにネギをこんもりとインしていたのが忘れられない。こうやって日々はローリングストーンのように転がっていくのです。ということで、モロッコラグの展示会は今週日曜19日までです。












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