この純黒の凛としたボウルをぼんやりと眺めているうちに「・・・ああモノの素晴らしさやその想いを伝えるのはなんと難しくて虚しい」とぼんやりと思ってしまい、これはいけない、何かに従うしかないと思って目を瞑ってみたところ、無性にコルトレーンの『至上の愛』が聴きたくなりまして。まるで宗教の不可思議さをなんとか数字化・数値化しようとしたかのような、あの奇妙な熱と冷静さを持った音楽を。天草『丸尾焼』の金澤宏紀さんのこの器を決して安易にコルトレーンの音楽に喩えているわけではないのだけれど、繊細にして大胆、おおらかというよりかはどこかセンシィティヴでナイーヴな印象のある作品であることは確かであり。そしてきっとその胸の奥にひっそりと渦巻いているであろう、狂気でマッドな創造的世界を想像していると、やっぱりあのスピリチュアルな旋律が脳裏によぎって仕方ないのです。・・・ラーヴ・シュプリーム。
0 件のコメント:
コメントを投稿