2014年4月28日月曜日

“自由の感覚”




『玉木新雌 展示会ーtamaki niime Exhibition 4.22~5.06ー』
 ・・・なんだか彼はひとりこころ細そうだった。この世界でひとりで生き抜いていくには、なによりもまず孤独とせつなさを味方に付け、そしてそのふたつを深く均等に愛さなければならないと母から習ったばかりだったが、少年にはまだその全体像がうまく掴めない。でもおぼろげながら彼には”自由の感覚“だけは掴めていた。その自覚だけはぼんやりと、あった。“自由の感覚”は握った途端に途切れ、覚えた途端に消え去り、それはまるでトカゲの尻尾のようだったが、でもしかし「それ」をいったん纏(まと)いさえすれば、不思議と感覚が蘇る。いわば「それ」は、自由という開かれた世界に対する、彼のなかの最大の導き手だった。何者に捕われる事もなく、無心になって自由という海を泳ぎ遊ぶ事ができる歓び。男も女もなく、前も後ろもない、その自由な世界。彼はふと、纏っているものを眺めてみた。そこには印象的な菱形のロゴ、そして「tamaki niime」と記してあった。・・・とか。さてさて。展示会もそろそろ折り返し地点。本日もお待ちしております。
(photo:hisatomo.eto)

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